以前、お客さんから「大好きな詩集で、きっとaruさんの雰囲気にも合うと思って」と手渡された1冊の本。奈良の山で暮らす詩人、西尾勝彦さんによる詩集です。
帯に書いてあるこの言葉と同じ現象が、いま、aruでも起きています。
“西尾さんの詩集を手に取り、数ページめくって、「出会ってしまった」という顔をされて、感情を静かにおさめながらレジに来るお客さんを何人も見ていると、やはりそうだ、特別な言葉なんだ、と思うしかないのです”
多くを語るより前に、私がとても好きだった一編の詩をここに転載します。
「優しさ」
本当に強い人は優しい
幾多の困難に打ちのめされても
はい上がってきたから
苦しみや悲しみを心の底で
感じてきたから
自分が人に助けられてきたことを
知っているから
そして優しい人は弱い
すぐに
人を信じてしまうから
すぐに
心 傷ついてしまうから
でも弱い人は強い
その矛盾を
噛みしめて生きているから
その矛盾を
深い
優しさに代えていくから
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著者:西尾勝彦
出版社: 七月堂
サイズ:四六判変形
ページ数:340ページ
発行年月:2018/03/07