写真家の田野英知さんと詩人の若尾真実さんによる、写真と詩が美しく織りなす一冊。
「汽水」とは、川から海になるあいだの水のことを指すのだそう。
帯にある「世界には分けられることなんてほとんどなかった」という言葉の通り、この本を眺めていると、世界はすべてつながっていて、自分という人間が混沌とした世界にやさしく溶けていくような気持ちがします。
田野さんと若尾さんの写真と詩からは、匂いがする、空気を感じる、音がする、歌が聞こえる。五感全部をぶわわ、と刺激してくれて、生きていることを感じさせてくれる、いのちが詰まった本。
aruからもほど近い、瀬戸内海の島々で作られた作品です。装丁家・古本実加さんによる装丁もすばらしい。
手元に一冊あるだけで、海を感じられるおすすめの一冊です。
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著者:田野英知、若尾真実
装丁:古本実加
装画:平岡瞳
印刷:藤原印刷
サイズ:A5変型、上製本
ページ数:80ページ
発行年月:2021/4/7