《「26歳」をタイトルにした文章を自由に書いてください。書き終えたら、あなたがいちばん魅力的だと思う26歳の知り合いにこの企画をつないでくださいー》
そんなお題のもとに集められた、世界各地で暮らす26歳たちによる「26歳」をタイトルにしたエッセイ集。料理人から宇宙工学者、俳優から機動隊員まで、総勢48名の等身大の文章が掲載されています。
この本の作者である椋本さんからはじめて本書の案内を受けたとき、「26歳」とはこれまた絶妙な年齢設定だなあ、と思いました。
20歳でも30歳でもなく、26歳。なんでも、沢木耕太郎さんから影響を受けた椋本さんは、ずっと「26歳」という年齢を特別に思っていたのだとか。
今まであまり意識してこなかったけれど、社会に出てからしばらくが経ち、ある程度の酸いも甘いも経験して、自分はこれからどうやって生きていこうか……と、多くの人が方向性を見直したり、立ち止まったり、悩んだりする時期なのかもしれません。
いろんな人々の、48通りの26歳の気持ちが感じられる、味わい深いエッセイ集。なんと3刷である今回は、特別寄稿として沢木耕太郎さんのエッセイが収録されています。
これから26歳になる方、いままさに26歳の方、そしてかつて26歳だった方。すべての方に手に取っていただきたい1冊です。
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私自身のことを振り返ってみると、働きすぎて体調を崩したり、はじめての結婚をしたり……と、破天荒で無鉄砲で、向こうみずな若さを持っていた時期でした。なんだか思い出して懐かしくなったので、おまけとして、店主の短いエッセイ「26歳の頃」をおつけしてお送りします。
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作者:椋本湧也
サイズ:W107×H174mm
ページ数:全212ページ
ブックデザイン:脇田あすか
印刷・製本:シナノ書籍印刷