モデル・俳優として活躍されているtaraさんと、写真家の回里純子さんによる写真集。
なんとこの写真集、1冊の中で4人の女性をtaraさんがおひとりで演じ分けられているのです。芯が強く情熱的なダリア。愛情を無条件に注げる優しいデイジー。妖艶でミステリアスなローズ。真面目で几帳面で美しいリリー……。
「私」「星座」「花」「バレリーナ」をモチーフにして生まれた、それぞれの女性の人格。コンセプトを知らなければ、最後のtaraさんの文章を読まなければ、写真に映る女性たちがまさか同一人物だとは気づかないかもしれません。それほどまでに見事にキャラクターを演じ分けたtaraさんの──いや、それぞれの女性たちの写真からは、彼女たちの言葉が聞こえてくるようです。
ひとりの人が、いくつもの役を演じるということ。その表現手段・コンセプトは、私たちの中にも、ダリア、デイジー、ローズ、リリーといった、数多のキャラクターが潜んでいるのかもしれない、ということを思わせられます。
15歳で単身渡米、海外でのバレリーナとしての生活を終え、taraさんが日本に帰国したのは2016年のこと。長きに渡る海外生活、そしてその生活を終える上で感じたさまざまな感情が、この1冊に全身全霊で込められている。〈破壊と再生〉というコンセプトが、taraさんの生命力が、まざまざと伝わってくる写真集だと感じました。
巻末には、それぞれの写真作品から着想を得て生まれた脚本家の阿久津朋子さんによる戯曲の脚本も収録。一冊の本が、音で、写真で、言葉で、物語で立体的に立ち上がるすばらしい1冊です。
装丁は脇田あすかさんが担当。
taraさんの魂を、ぜひ感じてみてください。
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発行 :tara
発行日:2022 年 1 月 11 日
サイズ:W148mm × H190mm × D15mm(A5縦変形)
印刷 :藤原印刷株式会社
製本 :株式会社望月製本所
ページ数:92ページ
出演・文 tara
写真 回里純子
衣装・星読み 石井なお子
花生け 林聡子
ヘ アメイク 長田博文、TOM
ブックデザイン 脇田あすか
編集 馬場智子
印刷 藤原印刷株式会社
箔押し 有限会社コスモテック
製本 株式会社望月製本所
◇著者プロフィール
tara モデル/女優
5歳よりバレエを初め、15歳で単身渡米。 ヒューストンバレエの研修を経て、チェコ、クロアチアの国立劇場でソリストとして踊る。 2016年より拠点を日本に移しモデルとしての活動をスタート。 雑誌、カタログ、TVCMなど多数出演するほか、絵本の翻訳(「チュチュをき たトラ」文化出版局)、エッセーの執筆、ヴィーガン料理のレシピ開発など幅広く活躍している。 2020年より雑誌『リンネル』にて環境問題を取り上げる連載「taraさんと考える私と地球に心地よい暮らし」を担当。
回里純子 写真家
跡見学園短大国文科卒業。 在学中から音楽写真 を撮り始める。 卒業後、広告制作の写真事務所にて、アシスタントを経て独立。 フリーランスフォトグラファーとして、主に雑誌や広告、多数の書籍の撮影に携わる。 2010年にこどもた ちとタカラモノを撮るプロジェクトを発足。 写 真展を開催し、そのポートレートをまとめた著書『I love』をmille booksより発刊。 人物とその周りにある空気感を写し撮るのを得意として おり、国内外問わずファッションやライフスタイルなど幅広いジャンルで活動中。