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客になる

1,200円

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無類の酒場好きの編集者である乾隼人さんが、「いい客とは何だろう?」という問いを携えて思考を重ねたエッセイ集。 ”ニコニコと楽しげに酒を飲んでいる客、美味しいものに美味しいとすなおに驚く客、まわりとの距離がほどよく保たれている客。よく話すか、静かなのかはさておいて、その人のまわりにうすぼんやりとした灯りがともっているような、その人なりのその場所での居心地というものを見つけているんだな、と思えるような客がいる。そんな客に、自分はなりたい。” 「はじめに」を読んだだけで、首がもげるほどに頷いた。私も飲み歩くのが好きで、飲食店に行く度に「いいお客さんでいたいな」と思っているからだ。 酒場にはいろんな人がいる。いろんな楽しみ方がある。誰と(はたまたひとりで)どの酒場へ行くのか、何をどの順番で食べて飲むか、たくさん話すか話さないか、自分の正体を明かすのか明かさないのか──。その日、その店にその客たちが集まることでしか生まれないグルーヴみたいなものがある。「いい客でいられたな」と思う日もあれば、後悔が残る夜もある。乾さんの個人的な体験を読みながら、自分自身にもあったさまざまな夜についてつい思いを馳せてしまった。 「同じ店の客という関係性」、「明るい客でいられない時のこと」などなど、各小見出しのテーマ設定も秀逸で「わかるなあ…」と唸ってしまう。エッセイのあいだに挟まれた、全国各地のさまざまな飲食店のメニュー表にも思わず顔が綻ぶ。 乾さんとは昔からの友人なのだが、彼と無性に酒が飲みたくなった。「いい客ってなんだろうね?」と、ああでもない、こうでもないと言いながら。 これ以上ないほどの酒場への愛が詰まった、読んでいてうれしくなる素敵なエッセイ本でした。 ——— ”人の居心地に土足で踏み込むことをせず、自分の居心地をつくるために人に寄りかかることをせず、機嫌よくその場を楽しんでいれば、相性の合う人とはきっと自然と顔見知りになっていくはずだ。” ”約束も連絡もしない、薄く淡い接点で繋がった人間関係だからこそ、踏み込みすぎることなく遠ざかりすぎることなく、程よい距離で大事に関われたらいいな、と思う。その一方で「もう少し仲良くなれるかもしれない」という期待に動かされて、コミュニケーションを失敗してしまうこともある。” ”「編集とかライターの仕事をしてて、いろんな会社とかいろんな職業のかたにインタビューするのが仕事だったりします」と話すと、「おおっ!じゃあインタビューしてみてよ〜!」と言われることも多い。「どこまで聞いちゃおっかな〜!?」と肩を回してみたり、「プロのインタビュアーの腕ってものをね、見せてやりますよ……好きな食べ物って……?」とくだらない小ボケを挟んだりしながら、引き続き話を聞く。 ”明るい客でいられないとき、どうしたらいいだろう? 自分にとっての選択は、テキパキと店をホッピングしながら、その日の自分にちょうどいい距離感の場所を見つけることだ。” 発売日:2025年12月21日 販売価格:1200円(税込) サイズ:A6 ページ数:96P 発行・執筆:乾隼人 デザイン:杉本陽次郎 表紙撮影:金本凜太朗 印刷:藤原印刷株式会社

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